2011年1月4日火曜日

3月 初午の城下町松阪を探る

3月は、初午の城下町松阪を吟行し、松阪商人や本居宣長の旧跡などを訪ね、赤壁校舎で句会を行います。
所要時間2時間弱のコースです。

まず、岡寺観音(地図B)の初午から。岡寺の初午は、毎年この地方に春を呼ぶ行事として厄年の方々をはじめ多くの参拝者で賑わい、周辺は交通規制がしかれ数百の露店が立ち並びます。
この岡寺へ向かう界隈から、城下町としてつくられた特徴のひとつ、「武者隠し」の家並みを見ることができます。
続いて、「松阪商人の館」(地図C)へ。松阪商人の館は、その江戸期の屈指の豪商・小津清左衛門の邸宅を資料館として公開しているもので、その広い屋敷はまさに「江戸店持ち伊勢商人」の典型です。

 (地図が微妙です。もうひとつ岡寺側の筋を、城跡から歩いて句会場へ向かうと、御城番屋敷の長屋が並んでいます。)

吟行について
集合日時: 3月3日(木)午前10時15分
集合場所: JR松阪駅前(山側出口)
自分で吟行して句会場に直接来られても結構です。

近鉄の時刻表をリンクしておきます。 

句会場について
会場: 松阪工業高校赤壁校舎(松阪駅から直接行く場合の地図

電話: 0598-21-5313
時間: 午後1時15分~午後5時
 
吟行地からは少し離れていますが、
松阪市文化財センター
小津安二郎青春館
などもあります。
また、松阪と言えば松阪肉ということになるの ですが、
和田金(岡寺の近くです)
魚町・牛銀本店洋食屋牛銀
変わったところでは、駅近くの新竹の駅弁も人気があるようです。
(JR松阪駅前通・松阪シティホテル横)

2月 針供養の若宮八幡社

2月は、日常裁縫にたずさわっている人々が、針仕事を休めて、一年間使った古い針を供養するとともに、裁縫の上達を願うという古くからの年中行事の一つ、針供養を名古屋若宮八幡社(地図A)に訪ねます。
針供養の動画です。他にも結構動画がアップされてます。


こちらが若宮八幡社のHPです。
地下鉄名城線矢場町駅より西に徒歩5分。
こちらこちらをこの近辺の散策の参考にどうぞ。

吟行先 名古屋若宮八幡社(地図A)
名城線・矢場町駅
集合について 今回は栄から近いこともあり、集合はありません。

10時半をめどに自由に吟行の後、句会へお集まりください。
針供養は、11時から1時くらいまでとのことでした。 

句会 名古屋市短歌会館(地図B)
名古屋市中区錦2-13-22
    地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」下車1番出口
時間 13時~
 
電話 052-231-2233 

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2010年12月28日火曜日

1月 中村遊郭跡を訪ねて

中村遊廓は、大正時代以降に中村区に作られた公許の娼家が集まっていた地域ですが、残念ながら当時の面影を残す建物は、減少の一途をたどっています。
平成5年に名古屋市の都市景観重要建築物に指定されたのが、長寿庵、旧松岡旅館、料亭稲本などです。

中村遊郭跡の散策をコンパクトにまとめてくれているサイトがありました

そのサイトでも触れられていますが、
松岡旅館(地図C)は、デイサービスセンター松岡健遊館となっているようです。
料亭稲本(地図B)
長寿庵のレリーフ(地図D)

集合場所 地下鉄本陣駅(地図A) 4番出口
東山線・髙畑方面行 (名古屋駅より二つ目)
集合時間 10時30分

句会 本陣コミュニティセンター(地図E)
中村区松原町4-68
時間 13時~
電話 052-482-0901

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2010年11月24日水曜日

葦手書きについて

12月句会の句会のために、葦手書きについて少し書いておきます。
といっても、葦手書きについては、書き出すときりがないので、
ここでは、千代姫(ちよひめ)の調度品を鑑賞するのに、参考になることを書いておきます。

蒔絵などに使われる葦手書きの例として、室町期の「塩山蒔絵硯箱」を見ていただきます。
このサイトの検索窓に「塩山蒔絵硯箱」と入れて検索してください。

この硯箱は、『古今和歌集』の「しほの山さしでのいそにすむ千鳥、きみがみ世をばやちよとぞなく」をモチーフにしていますが、歌がすべて書かれているわけではありません。
「志本能山散新亭(しほのやまさして)」「君加見代遠盤(きみかみよをは)」「八千世登曽(やちよとそ)」の文字を葦手書きにされていますが、「千鳥」は書かれていません。
磯に住む千鳥の鳴くようすは絵で表現して、全体として『古今和歌集』の「しほの山さしでのいそにすむ千鳥、きみがみ世をばやちよとぞなく」の歌が完成するわけです。

『続後撰和歌集』の源雅実の歌「なほ照らせ代々に変はらず男山仰ぐ峯より出づる月影」を主題とした硯箱。画中には「なを・代々・男」などの文字が巧みに隠されています。

葦手書きは、歌すべてが作品中に書かれているのではなく、その断片から歌が想起されるという構造になっています。

こうした伝統を踏まえて、千代姫の「初音の調度」の呼称は、『源氏物語』の「初音」の帖「年月を松にひかれてふる人に今日鴬の初音きかせよ」の歌意を全体の意匠とし、その歌の文字を葦手書きに散らしているところに由来します。
なかでも、「鶯」と「松」は意匠として表れ、文字では表現されていません。

12月の句会案内はこちら

2010年11月23日火曜日

来年の日程

1月11日(火) 中村遊郭跡吟行 句会場 本陣コミュニティセンター
2月 8日(火) 若宮八幡社針供養吟行 句会場 短歌会館
3月 4日(金) 松阪吟行(初午) 句会場 赤壁校舎
4月        関宿吟行  句会場 未定

2010年10月28日木曜日

初音の調度について


 寛永16年(1639)9月20日、三代将軍家光の長女千代姫が数え年三歳、今日で言えば満二歳六ケ月で尾張徳川家二代の光友に、まことにみごとな蒔絵の婚礼調度を携え嫁ぎます。
 その婚礼調度は、意匠によって三分類に大別できます。一つは『源氏物語』の「初音」の帖に題材をとった初音蒔絵調度、二つは同じく「胡蝶」の帖に因んだ胡蝶蒔絵調度、三つは初音・胡蝶以外の種々の意匠の香道具や刀剣類など。また収納してきた長持や品目を書き上げた文書なども国宝の附属として指定されています。「初音の調度」とはそうした千代姫婚礼調度の総称の通称です。その豪華さは終日見ても見飽きることがないと讃えられて、「日暮しの調度」とも異称されました。
 貝桶をはじめとして厨子棚・黒棚・書棚などの三棚や化粧道具、文房具などが現存しています。これらは大名の婚礼調度の中心的な道具です。たとえば貝桶とは、本来は婦女子の遊戯であった貝合の貝を納めるための一対の容器です。蛤のような二枚貝はもよの一つの組み合わせの貝でなければ蓋と身が合わないために、婦人の貞節の象徴として婚礼調度では最も重要な意味を持つていました。

 初音蒔絵の意匠は、正月元日、源氏が年賀のために六条院を訪問した時の情景と、明石の上が詠じた「年月を松にひかれてふる人に今日うぐひすの初音きかせよ」の和歌に基づいています。当時の年中行事に、正月の子の日(ねのひ)に小松を引き抜いて長命を祝う風習があり、源氏が訪れたその日は、初子(はつね)の日がたまたま偶然に元日に重なった格別にめでたい日でした。初音(はつね)は初子(はつね)に通じる吉祥の題材であり、婚礼調度を飾るには最適な主題と考えらます。この和歌の文字が画中に見え隠れするように金銀の彫金の文字で散らされています。

 一部には赤い珊瑚を紅梅の花に用いて、高蒔絵はじめ高度で複雑な漆工芸技法が凝らされています。幕府のお抱え蒔絵師である幸阿弥家十代長重が千代姫誕生に際して父の将軍家光から注文を受けたとの文献記録があり、寛永時代の大名婚礼調度の絶頂期の作で、江戸時代のわが国の蒔絵工芸の代表作でもあります。

12月の句会案内はこちら

2010年10月13日水曜日

泉鏡花の「歌行燈」について

11月は、桑名を散策し、六華苑で句会をしますが、泉鏡花の「歌行燈」の舞台である饂飩屋と湊屋について、すこし追加しておきます。
(なお、歌行燈については、こちらを参考に。こちらは本文です。)

まず、主人公恩地喜多八の伯父が、芸者お三重を呼ぶ宿の湊屋のモデルが、船津屋。
(左に映っているのが句碑です)
最近結婚式場になったようです。
こんな感じですね。
ですから、中の部屋などを見ることができるかもしれません。

その船津屋の塀の一部に久保田万太郎の句碑があります。
 万太郎が『歌行燈』を戯曲化したとき、その構想を練りに船津屋を訪れ、作中にある「湊屋(船津屋)裏川岸から匐いあがってきて悪戯する獺」に想を発した作品と言われています。
かはをそに 火をぬすまれて あけやすき

桑名でのもうひとつの舞台は饂飩屋ですが、モデルは現「歌行燈」(旧「志満や」)です。
こちらが、歌行燈のホームページです。

なお、諸戸氏庭園については、11月の句会案内にも、リンクを張りましたが、こちらが諸戸氏庭園のページです。

11月の句会案内はこちら。